省力化・安全性

集中操作で少人数でスムーズに運用

水中ポンプによる「取水」と送水ポンプによる「送水」を一ヶ所で操作するので、遠距離に及ぶシステムを少人数でスムーズ且つ安全に運用することができます。それぞれの役割を存分に果たし、効率的且つ迅速な対応を行うことで少人数で安全な省力化を実現します。

管理・コスト

効率良い消火活動と維持管理コストの削減

各種資機材（ポンプ・ホース等）を搭載又は牽引するトレーラ・クレーン車等を用意する必要がありません。また、訓練等の維持管理コストをトータル的に削減できます。大規模な火災にて消火・救助の次に挙げられる問題となる管理・コスト面も考慮されたシステムです。

基本構成

大容量泡放水砲システムの迅速な車輌の連携

大容量泡放水砲システムは各車輌の連携で迅速な消火活動を行います。
自然水利（海中）または貯水槽等から取水用水中ポンプ（油圧駆動式）を使用し、大量送水を行う「送水用大容量ポンプ付消防自動車」泡原液を混合する為の泡混合ポンプ及び泡原液補給ポンプを搭載した「泡原液混合車」。人力では取扱いが困難な「大口径消防ホース」を積載し、走行しながら展張・回収する「ホース展張・回収車」そして毎分20000リットルの放射が可能なノズルを搭載した「放水砲車」等、各種車輌が連携して消火活動を行います。放水砲車のノズル部には放射される泡の形状を自由に変化させる事が可能です。ノズル先端についたハンドルを回すことにより、容易にストレート形状から広範囲の噴霧形状まで放射することができます。広範囲の噴霧形状の冷却効果による火災の消火はもちろん、急な風向きの変化等があった場合に操作員の自衛ができます。

災害防止法施行令の一部改正までの経緯

平成15年9月26日の十勝沖地震により、我が国を代表する石油精製事業所で原油貯蔵タンクの火災が発生しました。従来のタンク火災では、リング火災（タンクの浮き屋根周辺から漏れ出した原油の燃焼）が地震等の際、起こりうる火災として想定され、その対策・対応がとられてきました。しかし、今回のように地震の規模によってはタンク内の浮き屋根が沈んで揮発性の高いナフサが空気にさらされ、災害想定を越えたタンク全面火災へと発展してしまうことが明らかになりました。その際、延べ91部隊298人に及ぶ消火隊が駆けつけ、必死の消火活動を行いましたが、鎮火まで約44時間を要しました。
この結果、より一層の「消防力の充実強化」（特定事業所に関わる防災資機材の増強）並びに「防災体制の充実強化」の必要性が指摘されることとなりました。
平成17年12月1日付で、「石油コンビナート等災害防止法施行令」並びに「石油コンビナート等における特定防災施設等及び防災組織等に関する省令」の一部が改正され、新たに「広域共同防災組織」が整備されるとともに、「大容量泡放水砲」並びに「大容量泡放水砲用防災資機材等」を平成20年11月30日までに配備することが義務付けられました。

必要とされる要員

■大容量泡放水砲各1基につき防災要員・1人
■ポンプ1台につき防災要員・2人
■泡消火薬剤を水と混合し、適正な混合率の泡水溶液にする為の混合装置につき防災要員・2人
■ホースの長さが200メートルにつき防災要員・1人
■その他大容量泡放水砲等を用いて防災活動を円滑かつ適確に行うために必要な防災要員

（石油コンビナート等における特定防災施設等及び防災組織等に関する省令 第十七条の二：大容量泡放水砲に係る防災要員より）

大容量泡放水砲システム例

※車輌寸法、車輌総重量は標準仕様のものです。Web上に掲載されている写真とは異なります。
●このWeb上に掲載されている写真及び情報は、製品の改良のため予告なく変更することがあります。